「生活保護の母子加算って、いくら?」「うちは対象になる?」「子どもが大きくなったら、いつまでもらえるの?」——ひとり親で生活保護を受ける(受けている)家庭にとって、母子加算は、生活費を支える大きな上乗せです。この記事では、国の基準(保護の基準・実施要領)にもとづいて、金額・対象になる条件・いつまでかを、表で整理します。
💡 この記事の結論
- 母子加算は、ひとり親(またはそれに準ずる状態)で児童を養育している人の生活扶助に上乗せされる加算
- 金額は、お住まいの地域(級地)と児童の人数で決まる。児童1人なら月額16,100〜18,800円
- 対象の児童は、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(高校卒業の年度末が目安)
- 事実婚の相手と同居している場合などは、対象外になることがある
- この記事の金額・条件は、父子家庭の「養育する父」にも同じ考え方で適用される
母子加算とは?|生活保護の「上乗せ」
生活保護の最低生活費は、食費などの「生活扶助」、家賃の「住宅扶助」、学用品などの「教育扶助」などで構成されます。母子加算は、このうち生活扶助に加えられる「加算」のひとつで、ひとり親が子どもを育てるときの、追加的な費用を考慮したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 父母の一方(または両方)が欠けている世帯で、児童を養育する人の生活を支える |
| 位置づけ | 生活扶助に加えられる「加算」。最低生活費の一部 |
| 対象者 | 児童を養育している親(父または母)、または親以外の養育者 |
| 支給の形 | 保護費の中に含まれて、毎月支給される |
母子加算はいくら?|地域・子どもの人数別の金額
| 地域(級地) | 児童1人 | 児童2人 | 児童3人 |
|---|---|---|---|
| 1級地 | 18,800円 | 23,600円(18,800+4,800) | 26,500円(23,600+2,900) |
| 2級地 | 17,400円 | 21,800円(17,400+4,400) | 24,500円(21,800+2,700) |
| 3級地 | 16,100円 | 20,200円(16,100+4,100) | 22,700円(20,200+2,500) |
🧮 計算のしかた(1級地の場合)
- 児童1人:18,800円
- 児童2人:18,800円+4,800円=23,600円
- 児童3人:23,600円+2,900円=26,500円
- 児童4人:26,500円+2,900円=29,400円(3人目以降は、1人増えるごとに2,900円ずつ)
- ※ 級地は、お住まいの市区町村で決まっています。福祉事務所で確認できます。
母子加算は、生活扶助の基準額や、児童養育加算などとは別に加えられます。世帯の最低生活費がいくらになるかの目安は、母子家庭の生活保護はいくら?子ども別の目安で整理しています。
対象になる条件|「ひとり親」だけではありません
母子加算は、「父母の一方もしくは両方が欠けているか、これに準ずる状態」で、他方の親(または親以外の人)が児童を養育している場合に、その養育者につけられます。
| 「これに準ずる状態」の例 | 内容 |
|---|---|
| 親が常時の介護や監護を要する障害 | 父母の一方(または両方)が、常時介護や監護を要する身体障害・精神障害の状態 |
| 1年以上の入院や拘禁 | 父母の一方(または両方)が、引き続き1年以上入院中、または法令により拘禁されている |
| 1年以上の行方不明や、子の遺棄 | おおむね1年以上行方不明、または子どもを1年以上遺棄していると認められる |
| 配偶者からの暴力(DV)の保護命令 | 父母の一方が、DV防止法にもとづく保護命令を受けた |
⚠️ 対象外になるケース
- 事実婚を含め、婚姻関係にある相手と同じ世帯で、その人が児童を養育できる状態の場合
- 児童だけで構成される世帯は、原則として対象外(兄・姉が弟妹を養育せざるを得ない場合など、例外あり)
- 転出した児童、児童福祉施設に入所している児童は対象外(医療型障害児入所施設の入所児童は、例外あり)
「離婚していないと対象外?」という質問もありますが、別居やDVなど、実際に子どもを一人で養育している状況は、福祉事務所に相談して確認してください。世帯の状況を正確に伝えることが、とても大切です。
いつまで?|児童の年齢と、加算の終わり
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の児童 | 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある人(高校3年生の年度末が目安) |
| 障害のある児童 | 20歳未満で、一定の障害状態にある児童も、対象になる場合がある |
| 加算が変わる時期 | 認定を変更・終了する事由が生じたときは、その事由が生じた月の翌月から変更される |
| 子どもが複数いる場合 | 最年少の子が年度末を迎えるまでは、加算が続く。年上の子が基準を超えると、児童の人数が減った額に変わる |
たとえば、高校を卒業する年の3月31日が、児童の年齢の区切りになります。その時期をすぎると、母子加算の額が変わる、またはなくなるので、保護費が減ることがあります。進学・就職の準備とあわせて、家計の見通しを立てておくと安心です。
📌 子どもが高校を卒業する年にやっておくこと
- 福祉事務所に、子どもの進路(進学・就職)を早めに伝える
- 進学する場合は、使える支援(高校・大学の給付制度など)を確認する
- 就職する場合は、収入の届出と、世帯の状況の変化を伝える
- 加算が終わった後の保護費の目安を、担当者に聞いておく
母子加算が変わる・調整されるケース
| ケース | 母子加算の扱い |
|---|---|
| 母(父)が長期入院する | 養育できる人が他にいる場合は、その人に加算が移ることがある。養育に当たれない状態かどうかで判断 |
| 入院患者・施設入所者 | 別の額が適用される(入院患者・介護施設入所者など) |
| 障害者加算にも当てはまる | 同じ人が両方に当てはまる場合は、高いほうの加算額を算定 |
| 児童が2人以上 | 児童1人ごとに加える額は、重複調整をしない |
母子加算と、児童扶養手当・収入の関係
母子加算は、最低生活費に含まれる「加算」で、収入として認定されるものではありません。一方、児童扶養手当や年金、働いた収入は、収入として認定され、保護費から差し引かれます。
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 母子加算 | 最低生活費に含まれる(支給額が増える) |
| 児童扶養手当 | 収入として認定(受給額を各月に分けて認定) |
| 働いた収入(パート・アルバイトなど) | 勤労控除を引いた額が、収入認定される |
児童扶養手当や、手当との違いは児童扶養手当はいくら?、全体の制度は母子家庭の生活保護|条件・申請方法・手当との違いも参考にしてください。
📝 福祉事務所に、正確に伝えておくこと
- 児童の生年月日と、学校(高校・大学など)の状況
- 同居している人(家族・親族・パートナーなど)と、その人の関係
- 親の入院・障害・別居・DVなどの事情があるか
- 子どもの養育を、実際に誰が担っているか
- 状況が変わったとき(引っ越し・同居・入院・進学など)は、すみやかに連絡する
母子加算は、世帯の状況が前提の加算です。状況を正確に伝えることが、適正に認定されるための土台になります。「これは言っていいのかな」と迷うことも、先に相談しておけば安心です。
また、金額や条件は、年度や制度の見直しで変わることがあります。この記事の数字は、公表されている基準にもとづく目安として、最終的には、福祉事務所で確認してください。
よくある質問
母子加算は、父子家庭でももらえますか?
はい。母子加算は、「児童を養育する人」に対する加算で、養育に当たる人が父であっても対象になります。名称は「母子加算」ですが、父子家庭の養育者にも、同じ基準が適用されます。
離婚が成立していなくても、対象になりますか?
「これに準ずる状態」にあたる場合は、対象になる場合があります。たとえば、親が1年以上入院している、DVで保護命令を受けている、などです。個別の状況は、福祉事務所で確認してください。
事実婚の相手と暮らしている場合は?
婚姻関係(事実上の婚姻と同様の事情を含む)にある相手と同じ世帯で、その人が児童の養育に当たることができる場合は、原則として対象外になります。世帯の状況は、正確に伝えてください。
子どもが大学に進学したら、どうなりますか?
母子加算の対象の児童は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までです。大学進学の場合の保護費の扱いは、別のルールがあります。進学が決まる前に、福祉事務所に相談してください。
申請のとき、母子加算は別に申請しますか?
母子加算は、世帯の状況(児童の年齢、養育の状況、婚姻関係など)をもとに、福祉事務所が認定します。申請の際は、子どもの状況や、同居している人を正確に伝えてください。個別の手続きは、福祉事務所に確認してください。
まとめ|母子加算は「状況の正確な申告」が土台
🌸 この記事のまとめ
- 母子加算は、児童を養育するひとり親(またはそれに準ずる状態)の生活扶助への上乗せ
- 金額は、地域(級地)と児童の人数で決まる。児童1人は月16,100〜18,800円
- 対象の児童は、18歳に達する日以後の最初の3月31日まで
- 事実婚で同居の場合など、対象外のケースがある
- 状況が変わったら、すみやかに福祉事務所へ。わからないことは、遠慮なく聞きましょう
※ 制度の内容・金額は、年度や地域、世帯の状況によって変わることがあります。最新の情報は、お住まいの福祉事務所、または厚生労働省の案内で確認してください。
参考・出典
- ※ 厚生労働省「生活保護法による保護の基準」別表第1第2章-8・9(母子加算・重複調整)
- ※ 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」(第7-2-(2)コ、第8)
- ※ 2026年10月時点の公表資料にもとづきます。最新の内容は福祉事務所でご確認ください。
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この記事を書いた人:masako
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