🏛 支援制度
「制度があるのは知っているけれど、種類が多すぎて、何から手をつければいいのか分からない」
ひとり親の支援制度は、たしかに複雑です。しかも申請しないと受け取れないものがほとんど。知らないまま過ごしてしまうのは、あまりにもったいないことです。
この記事では、2026年8月時点の最新の金額で、ひとり親家庭が受け取れるお金を一覧にまとめました。出典はすべて国の公式資料です。あなたに当てはまるものが、きっと見つかります。
📋 この記事でわかること
- 毎月もらえる児童扶養手当・児童手当の最新金額(2026年度)
- 2026年4月に施行された法改正で新しくできたこと
- 医療費・教育費の負担を軽くする制度
- 資格を取りながら月10万円を受け取れる制度
- 申請でつまずかないための具体的なコツ
ひとり親の支援は、大きく4つに分けて考える
制度の数は多いですが、4つのグループに分けると全体像がつかめます。
毎月のお金
児童扶養手当・児童手当。生活を支える基本の柱
医療費
ひとり親家庭等医療費助成・子ども医療費助成
教育費
就学援助・就学支援金・奨学給付金・修学支援新制度
仕事と資格
高等職業訓練促進給付金・自立支援教育訓練給付金
① 児童扶養手当 ―― 2026年度の金額
ひとり親家庭の生活を支える、いちばん基本の手当です。父子家庭も対象で、原則18歳になった年度末までの子どもを育てている方が受け取れます。
| 区分 | 全部支給 | 一部支給 |
|---|---|---|
| 本体(第1子) | 月 48,050円 | 月 48,040円 〜 11,340円 |
| 加算(2人目以降・1人につき) | 月 11,350円 | 月 11,340円 〜 5,680円 |
※ 令和8年(2026年)4月分からの額。出典:こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」
💡 2024年11月から、ここが良くなりました
- 第3子以降の加算額が、第2子と同額に引き上げされました。今は「2人目以降は一律同額」です
- 所得制限が緩和されました(収入ベース・2人世帯):全部支給 160万円→190万円/一部支給 365万円→385万円
- つまり「以前は対象外だった方が、今は対象になっている」可能性があります
※「前に申請して駄目だった」という方も、もう一度確認する価値があります。
📅 支給日
年6回・奇数月(1月・3月・5月・7月・9月・11月)に、前の2か月分がまとめて振り込まれます。
申請した月の翌月分から対象になるので、思い立ったらすぐ窓口へ。1か月遅れると、その分は戻ってきません。
② 児童手当 ―― ひとり親に限らずもらえる
2024年10月から大きく拡充され、所得制限がなくなり、高校生年代まで対象が広がりました。
| 子どもの年齢 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 月 15,000円 | 月 30,000円 |
| 3歳〜高校生年代 | 月 10,000円 | 月 30,000円 |
※ 支給は偶数月(2・4・6・8・10・12月)の年6回。出典:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
高校生年代の子どもがいるのに手続きをしていない方は、今すぐ確認を。拡充前は中学生までだったので、申請漏れが起きやすいところです。
知って、申請した人だけが受け取れます
③ 2026年4月、法律が変わりました
2026年(令和8年)4月1日、改正民法が施行されました。離婚とお金に関わる、とても大きな変更です。
⚖️ 新しくできたこと
- 法定養育費:離婚時に取り決めがなくても、子ども1人につき月2万円を請求できるようになりました(施行日以降に離婚した場合が対象)
- 養育費の先取特権:公正証書がなくても、父母間で作成した文書に基づいて差押えを申し立てられるように(上限は子1人につき月8万円)
- 共同親権を選べるように:離婚後も父母双方が親権を持つ選択が可能に。ただしDVや虐待のおそれがある場合、家庭裁判所は必ず単独親権とします
- 回収手続きが簡単に:1回の申立てで、財産開示 → 勤務先情報の取得 → 差押えまで進められるようになりました
※ 法定養育費は、施行日(2026年4月1日)以降に離婚したケースが対象です。施行前に離婚された方には発生しません。出典:法務省「民法等の一部を改正する法律」
「逃げれば終わり」という時代は、確実に終わりつつあります。養育費は、子どもが持つ正当な権利です。あきらめる必要はありません。
④ 医療費の助成 ―― 自治体ごとに違います
ひとり親家庭の医療費を助成する制度は、国の統一制度ではなく、各自治体が独自に行っています。名前も内容も地域によって違うので、必ずお住まいの市区町村で確認してください。
🏥 例:東京都「マル親」の場合
- 対象:ひとり親家庭の親と子(18歳到達年度末まで/一定の障害がある場合は20歳未満)
- 住民税非課税世帯は、自己負担なし
- 住民税課税世帯:通院・入院とも1割負担(上限あり)
※ 埼玉県は「通院 月1,000円・入院 日1,200円」など、自治体によって仕組みが大きく異なります。「ひとり親 医療費助成 (お住まいの市区町村名)」で検索してみてください。
⑤ 教育費の支援 ―― 2026年度は大幅に拡充
ここは、2026年度に非常に大きな変化があったところです。
🎓 高校:就学支援金の所得制限が撤廃されました
- 公立高校:年額 118,800円(実質、授業料が無償に)
- 私立高校:年額 457,200円(39.6万円から大幅に引き上げ)
- 所得制限:なし(旧制度の年収590万円・910万円という区分は廃止されました)
※ 令和8年度から。出典:文部科学省「高等学校等就学支援金」
さらに、授業料以外の教育費(教科書代・通学費など)を支える高校生等奨学給付金もあります。
| 世帯区分 | 国公立(年額) | 私立(年額) |
|---|---|---|
| 住民税非課税世帯(全日制等) | 143,700円 | 152,000円 |
| 年収270〜380万円程度 | 47,900円 | 50,670円 |
| 年収380〜490万円程度 | 35,930円 | 38,000円 |
※ 令和8年度から中所得世帯(年収490万円程度)まで対象が拡大されました。出典:文部科学省
🏛 大学・専門学校:高等教育の修学支援新制度
- 住民税非課税世帯(私立大学の例):授業料減免 年70万円まで+入学金26万円まで+給付型奨学金(返済不要)月38,300円(自宅)/月75,800円(自宅外)
- 国公立大学の場合:授業料減免 年535,800円まで+入学金282,000円まで+給付型奨学金 月29,200円(自宅)/月66,700円(自宅外)
- 子どもが3人以上いる世帯は、所得制限なしで授業料・入学金が無償(2025年度から)
※ 申請は高校3年生の春(予約採用)が重要です。ここを逃さないでください。出典:文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)
小・中学校については、就学援助(学用品費・給食費・修学旅行費などの援助)があります。実施は市町村ごとで、基準や金額が異なります。
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これは、意外と知られていないとても手厚い制度です。看護師や保育士などの資格を取るために学校に通う間、生活費が支給されます。
💼 高等職業訓練促進給付金
- 月額 100,000円(住民税課税世帯は月額70,500円)
- 最終年の1年間は、さらに月4万円が加算
- 修了時に修了支援給付金 50,000円(課税世帯は25,000円)
- 支給期間:修業期間(上限4年。准看護師→看護師への進学は上限5年)
- 対象資格の例:看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、調理師、製菓衛生師、デジタル分野の認定資格など
※ 児童扶養手当を受給中、または同等の所得水準であることなどが要件です。出典:こども家庭庁
📚 自立支援教育訓練給付金
- 対象講座の受講料の6割(上限20万円)を支給
- 専門実践教育訓練の講座なら、修学年数×上限40万円
- 修了後1年以内に資格を取って就職すると、さらに25%が追加支給(合計最大85%)
「資格を取りたいけれど、学んでいる間の生活が不安」——その不安を、この制度が引き受けてくれます。人生を立て直すための、いちばん強い味方かもしれません。
⑦ 見落としがちな、その他の支援
🔍 チェックしてみてください
申請でつまずかないための3つのコツ
📝 スムーズに受け取るために
まず役所の「ひとり親相談窓口」へ行く
子育て支援課などの窓口で「ひとり親です。使える制度を全部教えてください」と伝えてください。1か所で芋づる式に分かります。
戸籍・住民票・通帳をワンセットで用意
多くの制度で共通して必要です。先にまとめて取っておくと、何度も並ばずに済みます。
毎年8月の「現況届」を絶対に忘れない
児童扶養手当は年に1回の更新手続きが必要です。出し忘れると支給が止まります。カレンダーに印を付けておきましょう。
よくある質問
まとめ:制度は、あなたが堂々と使っていいものです
支援制度は「困った人への施し」ではありません。子どもの育つ環境を守るために、社会が用意した仕組みです。遠慮する必要はまったくありません。
そして、そのほとんどが申請しないと受け取れません。待っていても、誰も教えに来てくれないのが現実です。
「うちは対象かな」と少しでも思ったら、まずは役所のひとり親相談窓口へ。その一歩が、来月のあなたと子どもの毎日を、確かに軽くしてくれます。
📌 この記事のまとめ
- 児童扶養手当は月48,050円(全部支給・第1子/2026年度)。2人目以降は月11,350円加算
- 2024年11月から所得制限が緩和。以前対象外だった方も再確認を
- 児童手当は高校生年代まで・所得制限なし。第3子以降は月30,000円
- 2026年4月の法改正で法定養育費(月2万円)と先取特権が新設
- 高校の就学支援金は所得制限撤廃(公立118,800円・私立457,200円)
- 資格取得中は月10万円の高等職業訓練促進給付金が受けられる
- まずは役所のひとり親相談窓口へ。年1回の現況届も忘れずに
参考・出典
- こども家庭庁「児童扶養手当制度の概要」「ひとり親家庭等の支援について(令和8年4月)」「児童手当制度のご案内」「高等職業訓練促進給付金」
- 法務省「民法等の一部を改正する法律〔令和8年4月1日施行〕」
- 文部科学省「高等学校等就学支援金」「高校生等奨学給付金」「高等教育の修学支援新制度」
- 日本学生支援機構(JASSO)
- 東京都福祉局「ひとり親家庭等医療費助成(マル親)」、埼玉県「ひとり親家庭等医療費助成」
- ※ 本記事は2026年8月10日時点の公式情報に基づいています。金額・要件は改正されることがあり、医療費助成や就学援助は自治体により異なります。実際の手続きの際は、お住まいの市区町村の窓口および各制度の公式情報を必ずご確認ください。

