🏛 支援制度
「手当って、母子家庭のものでしょう?」——そう思って、一度も窓口へ行ったことがない。そんなお父さんは、決して少なくありません。
でも、それは15年以上前の話です。いまは父子家庭も、ほぼすべての制度の対象になっています。
📋 この記事でわかること
- 父子家庭が使える手当の一覧
- 年収いくらまで受け取れるのか
- 父親だからこそ情報が届きにくい理由
- 仕事と育児を回すために、いま打てる手
父子家庭が使える手当・支援制度の一覧
まず結論からお伝えします。母子家庭が使える制度は、基本的に父子家庭でも使えます。
| 制度 | 父子家庭は | ひとこと |
|---|---|---|
| 児童扶養手当 | ✅ 対象 | 平成22年8月から父も対象に。第1子は全部支給で月48,050円 |
| 児童手当 | ✅ 対象 | ひとり親に限らず全員。2024年10月から所得制限なし |
| ひとり親家庭等 医療費助成 | ✅ 対象 | お子さんだけでなく父自身の医療費も対象になります |
| ひとり親控除 | ✅ 対象 | 年末調整か確定申告で申告。忘れている方が多いところです |
| 自立支援 教育訓練給付金 | ✅ 対象 | 資格講座の費用の6割が戻ります(上限20万円) |
※ 2026年8月時点。金額・条件はお住まいの市区町村でご確認ください。
💡 なぜ「もらえない」と思われているのか
かつて児童扶養手当は母子家庭だけの制度でした。父子家庭が対象になったのは平成22年(2010年)8月からです。
制度は変わったのに、「父親はもらえない」という古い印象だけが残ってしまっているのかもしれません。申請しなければ、さかのぼって受け取ることはできません。心当たりがあれば、まず窓口をのぞいてみてください。金額のくわしい話は児童扶養手当はいくら?にまとめています。
年収400万・500万でももらえる?所得制限の目安
よく検索されているのが「年収400万・500万でももらえるのか」という点です。目安はこうなります(親+お子さん1人の場合)。
| あなたの年収 | 児童扶養手当 |
|---|---|
| 〜190万円 | 全部支給(第1子 月48,050円) |
| 190万〜385万円 | 一部支給(収入が増えるほど少しずつ減ります) |
| 385万円〜 | 支給なし |
※ 収入の目安です。扶養している人数で変わります。2024年11月から基準がゆるくなりました。
✔ 年収400万円を超えていても、あきらめないで
児童扶養手当は対象外でも、ほかの制度は使えることがあります。
児童手当は2024年10月から所得制限がなくなりました。ひとり親控除は年収500万円以下なら対象です。医療費助成の基準は自治体ごとに違います。
ひとつ対象外だったとしても、ほかまで同じとは限りません。ひとり親控除はいくら戻る?とひとり親家庭の医療費助成も、あわせてご覧ください。
父親だからこその、届きにくさ
お金の制度は同じでも、父子家庭には別の壁があるように思います。数字には出にくい部分です。
① 情報が入ってこない
園や学校のやりとり、地域のつながりは、母親どうしで回っていることが少なくありません。制度の話も、雑談のなかで共有されていきます。そこに入りづらいと、知る機会そのものが減ってしまいます。
② 仕事を減らしにくい
「自分が稼がないと」と思うと、時短も休みも言い出しにくいですよね。周りにも「お父さんは働くもの」という空気があって、ひとりで抱えてしまいがちです。
③ 相談する場所が見つからない
ひとり親の集まりは母親が多く、足が向かない。弱音を言える場所がないまま、静かに疲れていく。そんな声をよく聞きます。
🌿 ここは、遠慮しなくていいところです
窓口で「父子家庭なのですが」と言い出しにくい、と感じる方もいます。でも制度に父も母もありません。職員の方は事務的に手続きを進めてくれるだけで、詮索されることはまずないと思います。
同じように、子の看護等休暇も時短勤務も、父親が使える制度です。「男が使うものじゃない」という決まりは、どこにもありません。
仕事と育児を回すために、いま打てる手
気合いで乗り切ろうとすると、長くは続きません。使えるものは、遠慮なく使ってしまいましょう。
1. 会社の制度を確認する
子の看護等休暇は小学校3年生まで、年5日(お子さん2人以上なら10日)取得できます。時短勤務や残業免除も、法律で決まった権利です。まず就業規則を読んでみてください。
2. ファミリー・サポート・センターに登録する
市区町村の仕組みで、送迎や短時間の預かりを1時間700〜1,000円ほどでお願いできます。いざというとき慌てないよう、先に登録だけしておくのがコツです。
3. 家事は「やめる」から考える
増やすより減らすほうが早いです。食洗機、乾燥機付き洗濯機、宅配。お金で時間を買うのは、逃げではないと思います。
4. 資格取得には補助が出る
自立支援教育訓練給付金なら受講料の6割が戻ります。看護師などを目指す場合は高等職業訓練促進給付金(月10万円)もあり、こちらも父子家庭が対象です。
くわしくはひとり親の職業訓練|無料で受ける条件と給付金の額、資格選びは食いっぱぐれない・在宅向きの資格もどうぞ。
お金の不安は、見える化から
収入が急に増えることは、なかなかありません。それでも「毎月いくら残るか」がわかるだけで、不安はずいぶん軽くなります。
固定費の見直しは、一度やれば効果がずっと続きます。スマホ代、保険、使っていないサブスク。ここを削るだけで、月に数千円は変わってきます。そのうえで少し余裕ができたら、投資は100円からも読んでみてください。月1,000円からでも始められます。
🌿 焦らなくて大丈夫です
まずは受け取れる手当を受け取ること。次に固定費。投資はそのあとで構いません。順番を間違えなければ、少しずつ整っていくのではないかなと思います。
よくある質問
離婚が成立していなくても、児童扶養手当はもらえますか?
別居していて生活費を受け取っていない場合など、事情によっては対象になることがあります。判断は自治体ごとに違うので、まずは窓口でご相談ください。「うちは無理だろう」とご自分で決めてしまうのが、いちばんもったいないところです。
元妻が子どもの児童手当を受け取っているようです。
児童手当は実際にお子さんを養育している人が受け取る仕組みです。同居しているなら、市区町村で受給者の変更手続きができます。早めに動くほうが確実です。
養育費をもらう側になれますか?
はい。養育費に父母の別はありません。お子さんと暮らしていない親が支払うものです。取り決めがまだなら、養育費を確実に受け取るための手続きをご覧ください。公正証書にしておくと、後々の安心につながります。
申請には何を持っていけばいいですか?
戸籍謄本、本人確認書類、通帳、印鑑、年金手帳などが基本です。自治体によって異なるので、電話で先に確認してから行くと、二度手間になりません。
まとめ:知らないままが、いちばんもったいない
父子家庭は、母子家庭とほぼ同じ支援を受けられます。それなのに「父親はもらえない」という思い込みだけで、受け取れるはずのお金を逃してしまう方がいます。
✔ 児童扶養手当は父子家庭も対象(2010年8月から)
✔ 年収385万円くらいまでが目安(親+お子さん1人)
✔ 対象外でも、ひとり親控除や医療費助成は使えることがある
✔ 資格取得の給付金も、父親が使える
ひとりで抱えている時間ほど、しんどいものはありません。「父子家庭なのですが」の一言から、話は進んでいきます。今日でなくても構わないので、気持ちに余裕のある日に、電話一本かけてみてください。
受け取れるお金の全体像はひとり親がもらえる手当まとめ2026に一覧でまとめています。
※ 制度の内容は2026年8月時点のものです。金額や条件は変わることがありますので、最新の情報はお住まいの市区町村・こども家庭庁の案内をご確認ください。

