「大学に行かせてあげたいけど、お金が…」——母子家庭にとって、進学費用は大きな不安ですよね。でも今は、条件を満たせば授業料が大きく減免され、返さなくていいお金(給付型奨学金)ももらえる「大学無償化(高等教育の修学支援新制度)」があります。母子家庭は対象になりやすい制度です。この記事で、対象・金額・申請の流れを、やさしく整理します。
「大学無償化」ってなに?
正式には「高等教育の修学支援新制度」といい、2020年に始まった国の制度です。柱は2つ。
- 授業料・入学金の減免:進学先の学校が、授業料と入学金を減らしてくれる
- 給付型奨学金:日本学生支援機構(JASSO)から、返さなくていいお金がもらえる
「無償化」という言葉から全員タダになると思われがちですが、実際は世帯の収入に応じて支援額が変わる制度です。とはいえ、母子家庭は対象になりやすく、負担が大きく軽くなります。
支援の2本柱(早わかり表)
| 支援 | 内容 | どこから |
|---|---|---|
| 授業料・入学金の減免 | 毎年の授業料と、入学時の入学金を減免 | 進学した学校 |
| 給付型奨学金 | 返済不要。生活費などに使えるお金 | 日本学生支援機構(JASSO) |
対象になるのは?母子家庭は該当しやすい
対象は、大きく分けて住民税非課税世帯と、それに準ずる世帯です。収入が限られる母子家庭は、当てはまるケースが多くあります。
- 住民税非課税世帯:支援は満額
- それに準ずる世帯:収入に応じて、満額の3分の2・3分の1
- 収入のめやすは、世帯の人数や年齢で変わる
「うちは対象?」と思ったら、JASSOの「進学資金シミュレーター」で、名前も入れずに目安を確認できます。まずは調べてみましょう。あわせて母子家庭の大学費用と奨学金も参考になります。
対象になる学校
大学だけでなく、幅広い進学先が対象です。
- 大学・短期大学
- 高等専門学校(4・5年生)
- 専門学校(専門課程)
ただし、すべての学校が対象というわけではなく、国が「対象校」として認めた学校に限られます。志望校が対象かは、学校や文部科学省のサイトで確認しましょう。
申請の流れ
🌸 大学無償化 申請の流れ
高校3年から準備しておくのが安心です
高校3年で「予約採用」を申し込む
高校を通じてJASSOに給付奨学金を予約申込します。
進学先を決めて入学
対象校に合格・進学します。
進学先で手続き
入学後、授業料減免の申請と、奨学金の「進学届」を出します。
採用・支援スタート
認められれば支援開始。進学後に申し込む「在学採用」の道もあります。
「高校3年の春〜」がひとつの目安です。時期を逃さないよう、高校の先生にも早めに相談しておきましょう。
あわせて使える・関連する支援
大学無償化のほかにも、進学費用を支える制度があります。
- 貸与型奨学金(JASSO):無利子・有利子で借りるタイプ。給付型と併用できる場合も
- 教育ローン:日本政策金融公庫の「国の教育ローン」など
- 各自治体・団体の奨学金
教育費の全体像は母子家庭の教育費はいつ・いくら、進学前の準備は入園・入学準備のお金もどうぞ。
知っておきたい、注意点
受けるために、いくつか条件があります。
- 学ぶ意欲・成績が見られる(高校の成績だけで判断されるわけではない)
- 進学後も、一定の成績を保つ必要がある(怠ると支援が止まることも)
- 世帯の収入が上がると、区分が変わる・対象外になることがある
「一度決まれば安心」ではなく、進学後もコツコツ学ぶことが大切です。とはいえ、まじめに通っていれば心配しすぎなくて大丈夫です。
実際、どのくらい負担が軽くなる?
「授業料の減免」と聞いても、ピンとこないかもしれません。大学の学費は、国公立でも4年間で合計200万円を超え、私立文系ならさらに大きくなります。ここが大きく減るインパクトは、家計にとって計り知れません。
住民税非課税世帯にあたる場合は、授業料・入学金の減免が満額に近くなり、さらに返さなくていい給付型奨学金も受けられます。準ずる世帯でも、その3分の2や3分の1が支援されます。「全額タダ」ではなくても、母子家庭にとっては進学のハードルがぐっと下がるのは間違いありません。
正確な金額は、進学先が国公立か私立か、自宅から通うか一人暮らしかでも変わります。JASSOの進学資金シミュレーターに世帯の状況を入れると、給付奨学金の目安額がその場で分かります。まずは”わが家の場合”を数字で見てみましょう。
申請でつまずかないための3つのコツ
制度は知っていても、手続きの時期や書類でつまずく人が少なくありません。次の3つを押さえておきましょう。
- ①高校3年の春を逃さない:予約採用の申し込みは、高校を通じて春ごろに始まります。担任や進路指導の先生に「大学無償化を使いたい」と早めに伝えておくと安心です。
- ②必要書類を早めにそろえる:マイナンバーや収入の分かる書類が必要になります。ギリギリだと間に合わないことも。
- ③進学後の手続きも忘れない:予約採用で決まっても、進学先で「進学届」や減免申請をしないと支援は始まりません。
「申し込んだつもりで、実は手続きが抜けていた」が一番もったいないパターン。スケジュールを紙に書き出しておくのがおすすめです。
「うちは対象外かも」と思っても、あきらめないで
「共働きじゃないけど、パートで少し収入がある」「祖父母と同居している」——そんな理由で、自分から対象外と決めつけていませんか。
- 収入のめやすは世帯の人数や状況で変わるため、思ったより幅広く対象になる
- 2024年度以降、支援の対象は段階的に広がっている
- 対象区分に届かなくても、貸与型奨学金や自治体独自の支援が使えることも
大切なのは、思い込みで判断せず、まず調べること。シミュレーターは無料で、名前や個人情報を入れなくても試せます。ひとり親がもらえる手当まとめとあわせて、使える制度をもれなくチェックしましょう。制度は、知って・申請した人だけが受け取れます。
進学までに、親ができる準備
大学無償化があるとはいえ、教科書代や一人暮らしの費用など、制度でカバーしきれない出費もあります。だからこそ、進学までの数年で少しずつ備えておくと、いざという時に慌てずにすみます。
- 少額でもコツコツ貯める:児童手当を使わず教育費に回すだけでも、まとまった額に
- 固定費を見直して、貯める余力をつくる
- 使える制度を早めにリサーチ:無償化・奨学金・自治体支援など
教育資金の貯め方は学資保険とNISAどっち?も参考になります。「制度で軽くする」+「少しずつ備える」の両輪で、子どもの進学を無理なく支えていきましょう。あなたが情報を知っているだけで、子どもの選べる未来は大きく広がります🌸
🌿 masakoの本音
制度は、遠慮せず大いに活用しましょう。そのうえで、大学まで年数があるなら、少額でもいいので別口座に進学費用を取っておくと安心です。国の制度は、学校側でも情報共有があります。だからこそ、自分でもきちんと調べて、分からないことは学校や窓口に質問して、ひとつずつ解決していくことが大切。「調べる・聞く」を面倒がらないことが、結局いちばんの近道だと、私は思っています。
大学無償化で、よくある勘違い
制度を正しく使うために、勘違いしやすいポイントを整理しておきましょう。
- 「無償化=全員タダ」ではない:世帯収入で支援額が変わります
- 「申し込めば自動で続く」ではない:進学後の手続きや、成績の維持が必要です
- 「うちは無理」と決めつける:ひとり親控除で対象になることも。まず確認を
- 「高校3年になってから考える」では遅いことも:予約採用は時期が決まっています
こうした勘違いで、受けられるはずの支援を逃すのは、本当にもったいないこと。早めに正しい情報を集めておきましょう。
よくある質問
母子家庭なら必ず無償になる?
必ず全額ではありません。住民税非課税世帯は満額、それに準ずる世帯は3分の2・3分の1など、収入で変わります。まずはシミュレーターで確認を。
いつ申し込めばいい?
高校3年の春ごろの「予約採用」が基本です。進学後に申し込む「在学採用」もありますが、早めの準備が安心です。
給付型奨学金は本当に返さなくていい?
はい、給付型は原則返済不要です。ただし、途中で退学したり成績が著しく悪いと、返還を求められる場合があります。
専門学校でも対象になる?
国が対象校として認めた専門学校(専門課程)なら対象です。志望校が対象か、事前に確認しましょう。
まとめ
大学無償化(高等教育の修学支援新制度)は、母子家庭の「進学させたい」を後押ししてくれる、心強い制度です。授業料の減免+返さなくていい奨学金で、進学の負担は大きく軽くなります。まずはJASSOのシミュレーターで目安を調べ、高校3年の予約採用を逃さないこと。早めの一歩が、子どもの未来につながります🌸

