💰 家計・節約
「この子が大学に行きたいと言ったら、行かせてあげられるだろうか」
ふとした夜に、そんな考えが頭をよぎることはありませんか。
教育費は、金額が大きいぶん不安も大きくなりがちです。でも、不安の正体のほとんどは「全体像が見えていないこと」にあります。
いつ・いくら必要で、どこから用意できるのか。それが見えると、やるべきことは驚くほどシンプルになります。この記事で、一緒に整理していきましょう。
📋 この記事でわかること
- 教育費が本当にかかるのはいつなのか(山は1回だけ)
- ひとり親家庭が使える公的な支援の全体像
- 毎月いくら積み立てれば間に合うかの逆算のしかた
- 貯め方の選択肢と、それぞれの向き・不向き
- 間に合わないと感じたときの、現実的な選択肢
教育費の「山」は、実はほぼ1回だけ
教育費というと、ずっと重い負担が続くイメージがあります。でも実際には、大きな山は進学のタイミングに集中しています。
とくに高校卒業から大学入学までの数か月。ここに入学金・前期授業料・受験費用が重なり、まとまった現金が必要になります。逆に言えば、この一点に照準を合わせればいいのです。
小学校
公立なら学用品・給食費など。就学援助の対象になれば大きく軽減されます。
中学校
部活動費や塾代が増える時期。ここは月々の家計でやりくりする範囲。
高校
就学支援金で授業料の負担が軽くなる制度があります。
大学・専門
ここが最大の山。入学時にまとまった額が必要になります。
つまり、目標はシンプルです。「子どもが18歳になるときに、まとまった現金がある状態」を作ること。そこから逆算すれば、今月やることが決まります。
まず知ってほしい ― ひとり親が使える支援
貯める話をする前に、「使える制度」を先に押さえるのが鉄則です。自分で貯める必要のある金額そのものが変わってくるからです。
🏛 教育費に関わる主な支援
- 就学援助:小・中学校の学用品費・給食費・修学旅行費などの援助。市区町村の教育委員会に申請します
- 高等学校等就学支援金:世帯の所得に応じて、高校の授業料負担が軽減される国の制度
- 高等教育の修学支援新制度:大学・短大・専門学校の授業料等の減免と、返さなくてよい給付型奨学金
- 母子父子寡婦福祉資金貸付金:ひとり親家庭向けの、無利子または低利の公的な貸付制度
- 自治体独自の支援:入学祝い金、給付型奨学金などを持つ市区町村もあります
※ 金額・所得要件・対象は制度改正や自治体によって異なります。必ず最新の公式情報と、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
とくに高等教育の修学支援新制度は、ひとり親家庭にとって非常に大きな支えになります。「うちは対象かも」と思ったら、高校3年生の春(春の予約採用の時期)を逃さないようにしてください。
制度を知ることは、そのまま貯金と同じ意味を持ちます
毎月いくら積み立てればいい? ― 逆算のしかた
必要額から逆算すると、月々の目標額が出ます。計算はとても簡単です。
🧮 逆算の式
目標額 ÷ (18歳までの年数 × 12か月) = 毎月の積立額
例)目標200万円・子どもが今6歳(残り12年)の場合 → 200万円 ÷ 144か月 = 月約13,900円
| 子どもの年齢 | 18歳までの月数 | 目標100万円 | 目標200万円 | 目標300万円 |
|---|---|---|---|---|
| 0歳 | 216か月 | 月約4,700円 | 月約9,300円 | 月約13,900円 |
| 3歳 | 180か月 | 月約5,600円 | 月約11,200円 | 月約16,700円 |
| 6歳 | 144か月 | 月約7,000円 | 月約13,900円 | 月約20,900円 |
| 10歳 | 96か月 | 月約10,500円 | 月約20,900円 | 月約31,300円 |
| 13歳 | 60か月 | 月約16,700円 | 月約33,400円 | 月約50,000円 |
※ 運用による増減を考えない単純計算です。早く始めるほど、月々の負担が軽くなることが分かります。
この表を見ると、始める時期が早いほど楽になることがはっきり分かります。もし今から始めるのが遅いと感じても、大丈夫。残りの年数で、できる金額からで構いません。ゼロと少額では、結果がまったく違います。
どこに貯める? ― 3つの選択肢
| 方法 | メリット | 注意点 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 銀行の自動積立 | 元本が減らない。いつでも引き出せる | 増えにくい | 5年以内に使う予定の人 |
| 学資保険 | 強制力がある。保護者に万一のとき以後の払込が免除される特約も | 途中解約すると元本割れすることが多い | 途中で使ってしまいそうな人 |
| 積立投資(NISA等) | 長期なら増える可能性がある。少額から始められる | 元本保証はない。値下がりする時期もある | 使うまで10年以上ある人 |
※ どれかひとつに絞る必要はありません。「使う時期が近いお金は銀行、遠いお金は投資」と分けるのが基本の考え方です。
⚠️ 投資で教育費を用意するときの鉄則
- 使う予定の3年前からは、少しずつ現金に移す:必要な年に値下がりしていると困るからです
- 生活防衛資金を先に確保する:3〜6か月分の貯金ができてから始めましょう
- 短期で増やそうとしない:教育費は「絶対に必要なお金」。冒険する場所ではありません
「間に合わないかも」と感じたときの選択肢
もし残り年数が少なく、目標額に届きそうにない場合でも、道は閉ざされていません。
🕊 使える手段を知っておく
全額を親が用意しなければならない、という決まりはどこにもありません。制度と奨学金を組み合わせて進学する家庭は、決して珍しくありません。「うちは無理」と決めてしまう前に、まず調べてみてください。
よくある質問
まとめ:全体像が見えれば、不安は小さくなる
教育費の不安は、金額の大きさそのものより「見えないこと」から生まれます。
山がいつ来るのかを知り、使える制度を確認し、残りの年数で割ってみる。それだけで、やることは「毎月◯円をよける」という具体的な行動に変わります。
そして忘れないでください。制度も、奨学金も、あなたと子どもが堂々と使っていいものです。ひとりで全部背負おうとしなくて大丈夫。
📌 この記事のまとめ
- 教育費の山は大学・専門学校の入学時にほぼ集中する
- 貯める前に就学援助・就学支援金・修学支援新制度を確認する
- 目標額 ÷ 残り月数で、毎月の積立額が出る
- 使う時期が近いお金は銀行、10年以上先なら積立投資も選択肢
- 足りないときは給付型奨学金・公的貸付を組み合わせる
参考・出典
- こども家庭庁「ひとり親家庭等への支援」
- 文部科学省「就学援助制度」「高等学校等就学支援金制度」「高等教育の修学支援新制度」
- 日本学生支援機構(JASSO)奨学金制度
- ※ 制度の金額・要件は改正されることがあります。最新情報は各公式サイト及びお住まいの自治体でご確認ください。

