「パートで年収が増えたら、児童扶養手当はいくら減るの?」「働くと損をするのでは…」——手当を受けているひとり親が、いちばん気になるのがここです。この記事では、こども家庭庁の公式資料(令和8年度)をもとに、収入別に手当がいくらになるかと、その計算のしくみを整理します。結論を先に言うと、収入が増えると手当は少しずつ減りますが、手当を足した総収入は増えていくように作られています。
まず結論|5つのポイント
- 令和8年度の手当は、全部支給が月48,050円、一部支給は月48,040円〜11,340円(子1人の場合)
- 親と子1人の世帯では、給与収入190万円まで全部支給、385万円を超えると支給がなくなる
- この間は、収入が増えるにつれて、手当が少しずつ(段階的に)減る
- 国は、手当を含めた総収入が、収入が増えるほど増えていくように設計している
- 養育費を受け取っている場合は、その8割が所得に加えられて計算される
※ 金額は「手当を受ける親と子1人の世帯」で、令和8年4月からの見込額です。年度ごとに改定されます。
収入別の早見表|親と子1人の場合
こども家庭庁の資料に載っている、給与収入の例をもとにした早見表です。
| 給与などの収入(年) | 手当の月額 | 手当の年額(目安) | 手当を足した総収入(目安) |
|---|---|---|---|
| 190万円 | 48,050円(全部支給) | 約58万円 | 約248万円 |
| 230万円 | 40,650円 | 約49万円 | 約279万円 |
| 280万円 | 31,410円 | 約38万円 | 約318万円 |
| 320万円 | 24,010円 | 約29万円 | 約349万円 |
| 385万円 | 11,340円(一部支給の下限) | 約14万円 | 約399万円 |
表を見ると、収入が190万円から385万円まで増えると、手当は月48,050円から11,340円に減ります。それでも、手当を足した総収入は約248万円から約399万円へ増えているのが分かります。「手当が減るから働かない」は、家計の面ではもったいない選択になりやすいのです。
🌿 私の場合
収入が増えると、児童扶養手当が減ったり、なくなったりすることがあります。でも私は、そのことを必要以上に気にしなくていい、と考えています。手当を受け取れる間は、制度に感謝して、ありがたく受け取る。そして、自分の価値が上がって収入が増えてきたときには、手当のために、あえて収入を抑えるようなことはしないほうがいいと思うのです。これから先の自分の可能性や、大切にしたい価値観を、優先していきたいからです。
手続きの面では、毎年の現況届を、忘れずに出すことだけは心がけてきました。これまで、出し忘れて困ったことはありません。
実際に助かったのは、子どもの塾代など、教育にお金がかかりはじめた時期です。日本の制度は本当によくできていると、あらためて感じています。
手当の額はどう決まる?|計算のしくみ
児童扶養手当は、「収入」ではなく「所得」をもとに計算されます。所得は、収入から各種の控除を引いた金額です。国の資料では、一部支給の額を次の式で計算するとされています。
- 手当の月額(本体額)= 48,050円 -[(受給者の所得額 - 全部支給の所得制限限度額)× 0.0264029 + 10円]
- 10円未満は四捨五入
たとえば、子1人の場合、全部支給の所得制限限度額(所得ベース)は107万円です。所得がこの額を超えた分に、0.0264029をかけた金額が、手当から引かれていきます。
公式の計算例|収入181万円+養育費30万円
こども家庭庁の資料に載っている例を、そのまま紹介します(親1人・子1人、就労収入181万円、養育費が年30万円の場合)。
- 就労収入181万円の給与所得控除後:116万円
- そこから、公式の例にある10万円と、社会保険料相当の8万円を引く
- 養育費の8割(24万円)を加える
- 所得額の目安:116万円-10万円-8万円+24万円=122万円
- 手当の月額:48,050円-[(122万円-107万円)×0.0264029+10円]=44,080円
養育費をもらっていると、その分が所得に足されるので、手当は少し減ります。ただし、養育費は子どもの大切なお金です。養育費の新しいルールは 養育費の新ルール2026 完全ガイド でまとめています。
所得制限の一覧|扶養親族の数で変わる
全部支給・一部支給の所得制限限度額は、扶養親族等の数によって変わります(令和8年度、受給者本人の場合)。
| 扶養親族等の数 | 全部支給(収入ベース/所得ベース) | 一部支給(収入ベース/所得ベース) |
|---|---|---|
| 0人 | 152万円/69万円 | 334.3万円/208万円 |
| 1人 | 190万円/107万円 | 385万円/246万円 |
| 2人 | 244.3万円/145万円 | 432.5万円/284万円 |
| 3人 | 298.6万円/183万円 | 480万円/322万円 |
扶養親族が増えるほど、限度額も上がります。子どもが2人いる世帯は、1人の世帯より、高い収入まで手当を受けられます。子ども2人目以降には、加算額(全部支給で1人につき月11,350円)もあります。
見落としがちな注意点
- 同居の親などの所得:生計を同じくする扶養義務者(実家の親など)の所得が、限度額以上の場合は、全部支給停止になることがある。実家暮らしの方は要確認(実家暮らしと児童扶養手当)
- 養育費の8割:受け取っている養育費の8割が、所得に加えて計算される
- 公的年金との調整:老齢年金・遺族年金などを受け取っている場合は、手当の額が調整されることがある
- 前年の所得で決まる:毎年、前年の所得をもとに見直される。11月分から翌年10月分まで、その額が適用される(令和元年11月の制度変更以降)
よくある質問
パートで働くと、手当はなくなりますか?
親と子1人の世帯なら、給与収入が385万円を超えなければ、一部支給の手当を受けられます。収入が増えるほど手当は減りますが、手当を足した総収入は増えていく設計です。
年収が190万円を超えたら、いきなり半額になりますか?
いいえ。190万円を超えると、収入に応じて少しずつ(段階的に)手当が減っていきます。急に半分になるわけではありません。
養育費をもらっていると、手当は減りますか?
養育費を受け取っている場合、その8割が所得に加えて計算されるため、手当が少し減ることがあります。減る額は、養育費の金額と、所得によって変わります。
手当はいつ振り込まれますか?
年6回、1月・3月・5月・7月・9月・11月に、それぞれ前2か月分がまとめて支払われます(こども家庭庁の資料より)。
自分の場合の金額は、どうやって確認しますか?
お住まいの市区町村の窓口(子ども家庭課・児童福祉課など)で、所得や扶養親族の数をもとに、確認できます。手当の申請の流れは、次の記事も参考にしてください。
まとめ|「増えても損しない」と知って、働き方を選ぶ
- 親と子1人で、収入190万円まで全部支給(月48,050円)、385万円を超えると支給なし
- 収入が増えると段階的に手当が減るが、総収入は増える設計
- 養育費は8割が所得に加わる。同居の親の所得にも注意
- 正確な額は、市区町村の窓口で確認
「手当が減るのがこわい」という気持ちは、自然なことです。でも、数字で見ると、働いて収入を増やすことが、家計を強くする道だと分かります。※制度や金額は年度によって変わります。最新の情報は、必ず自治体やこども家庭庁の案内でご確認ください。
参考・出典
- こども家庭庁「児童扶養手当」(令和8年度予算・制度概要資料)
- ※ 本記事は2026年9月時点の公表資料にもとづきます。金額は令和8年4月からの見込額です。
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この記事を書いた人:masako
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