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「みんな、いくら貯金があるんだろう」「うちは貯金が少ないけれど、大丈夫かな」——シングルマザーは、まわりと比べにくいぶん、貯金額の不安を、ひとりで抱えがちです。
この記事では、厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」をもとに、母子世帯の貯金額の実態を整理します。そのうえで、いくら貯めれば安心なのか、どう目標を立てればいいのかを、具体的な計算とあわせて解説します。数字を知るだけで、「自分だけではなかった」と、気持ちが軽くなるはずです。
💡 この記事の結論
- 母子世帯の母の預貯金額は、「50万円未満」が39.8%で、最も多い(厚生労働省・令和3年度調査)
- 「100万円未満」は合計49.4%。「不詳」を除いて計算すると、約57%が100万円未満。貯金が少ないのは、あなただけではありません
- 1,000万円以上は5.8%。貯金額には、大きな差がある
- 「いくらあれば安心?」の目安は、毎月の生活費×3〜6か月分(よく言われる目安)。まずは10万円から
- 貯金を増やすコツは、先取り貯蓄・児童手当・もらえる手当の取りこぼし防止。貯金がなくても、頼れる制度がある
39.8%
母子家庭の貯金額|公的調査でわかった実態
母子世帯の貯金額は、厚生労働省が5年ごとに行う「全国ひとり親世帯等調査」で調べられています。結果が公表されている最新のものは、令和3年度調査(令和3年11月1日時点、令和4年12月26日公表)です。母子世帯の母の「預貯金額」は、次のとおりでした。
| 預貯金額 | 割合 | 累計の目安 |
|---|---|---|
| 50万円未満 | 39.8% | 39.8% |
| 50〜100万円未満 | 9.6% | 49.4% |
| 100〜200万円未満 | 11.5% | 60.9% |
| 200〜300万円未満 | 5.8% | 66.7% |
| 300〜400万円未満 | 5.0% | 71.7% |
| 400〜500万円未満 | 1.6% | 73.3% |
| 500〜700万円未満 | 4.8% | 78.1% |
| 700〜1,000万円未満 | 2.5% | 80.6% |
| 1,000万円以上 | 5.8% | 86.4% |
| 不詳(無回答など) | 13.7% | — |
※ 母子世帯の母の預貯金額(令和3年11月1日時点)。厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」より。累計は、割合を順に足した当サイトの計算です(四捨五入のため、合計は100%にならないことがあります)。
いちばん多いのは、「50万円未満」の39.8%です。約4割の母子世帯が、貯金は50万円に届いていません。「100万円未満」まで広げると、合計で49.4%、およそ半数です。
「真ん中」の人は、いくらくらい?
「不詳」(無回答など)の13.7%を除いて計算してみましょう。50万円未満は約46%、100万円未満までで約57%です。つまり、貯金額を少ない順に並べたときの「真ん中」の人は、「50〜100万円未満」のところに入る計算になります(当サイトの計算による目安で、公式の「中央値」ではありません)。
一方で、1,000万円以上の貯金がある人も5.8%います。貯金額には、大きな差があります。「平均」を見て落ち込む必要は、ありません。
死別と離婚などで、貯金額はどう違う?
| 母子世帯になった理由 | 50万円未満 | 1,000万円以上 |
|---|---|---|
| 死別 | 22.3% | 24.1% |
| 生別(離婚など) | 40.7% | 4.7% |
離婚などの「生別」では、約4割が50万円未満です。「死別」では、1,000万円以上の人が約4分の1となっています。母子世帯のうち、死別は5.3%で、ほとんどは離婚などの「生別」です。そのため、全体の数字は、生別の傾向に近くなります。
なぜ貯金しにくい?|収入と家計の実態
貯金が少ない背景には、収入の実態があります。同じ調査から、母子世帯の収入を見てみましょう(令和2年の1年間)。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| 母自身の平均年間収入 | 272万円 |
| 母自身の平均年間就労収入 | 236万円(月あたり、約19.7万円) |
| 世帯の平均年間収入(同居の親族を含む) | 373万円 |
| ひとり親が「最も困っていること」 | 家計 49.0%、仕事 14.2%、自分の健康 10.7%(母子世帯) |
| 養育費を「現在も受けている」 | 28.1%(母子世帯の母) |
| 養育費を「取り決めしている」 | 46.7% |
※ 厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」。年収の金額は、税金などを引く前の額です(手取りではありません)。
母自身の就労収入は、年236万円。月に直すと約19.7万円で、ここから税金や社会保険料が引かれます。そのうえ、最も困っていることの約半数が「家計」です。貯金が増えにくいのは、あなたのやりくりが下手だからではなく、収入の構造による面が大きいのです。
手取りの目安は、シングルマザーの手取りはいくら?で、くわしく解説しています。
いくら貯めれば安心?|貯金の目標の立て方
「いくら貯めればいいのか」は、家庭ごとに違います。目安を知るために、次の3つのステップで考えてみましょう。
| ステップ | 目標 | ねらい |
|---|---|---|
| STEP1 | まず10万円 | 急な出費(家電の故障・子どもの病気など)に、貯金で対応できる |
| STEP2 | 毎月の生活費の1〜3か月分 | 収入が一時的に減っても、すぐに困らない |
| STEP3 | 毎月の生活費の3〜6か月分 | 失業・長期の病気など、大きな「もしも」に備える |
たとえば、(仮の金額)毎月の生活費が20万円なら、STEP2は20〜60万円、STEP3は60万円〜120万円が目安です。まずは、自分の家の「毎月の生活費」(家賃・食費・光熱費・通信費・教育費など、必ずかかるお金)を、通帳や家計簿で出してみてください。
📝 「生活費×月数」の計算メモ
- 毎月の生活費:家賃・食費・光熱費・通信費・保険料・教育費などの合計
- STEP2の目標:毎月の生活費 × 1〜3か月
- STEP3の目標:毎月の生活費 × 3〜6か月
- いま、いくらある?:普段使う口座とは別に、「もしもの貯金」として分けて数える
いまの貯金を「見える化」する3ステップ
- 口座を全部、書き出す:普段使いの口座、貯金用の口座、児童手当用の口座など。「いま、全部でいくらあるか」を、紙かスマホのメモに書く
- 毎月、必ずかかるお金を出す:家賃・光熱費・通信費・保険料・給食費・習い事など。通帳の引き落としを、3か月分ほど見ると分かりやすい
- 毎月「残るお金」を出す:手取りの収入 − 毎月の支出。プラスなら、その一部を先取り貯蓄へ。マイナスなら、減らせる項目を、まず1つだけ探す
「見える化」するだけで、お金の不安は、小さくなります。漠然とした不安は、数字にすると、「あと、いくら足りないか」という、具体的な課題に変わるからです。完璧を目指さず、1つの項目から始めましょう。
教育費(進学・習い事)は、生活費の貯金とは別の「枠」で考えるのが、おすすめです。児童手当を教育費に回す考え方は、学資保険は必要?母子家庭のメリット・デメリットで解説しています。
🌿 私の場合はこうでした
私は、ひとり親になる前から、少しずつ貯金を続けてきました。その時が来ることは分かっていたので、家計管理にも、きちんと向き合っていました。貯金の額に決まった正解はありません。備えは、少額からでも始められます。
貯金を増やす5つの工夫
- 先取り貯蓄:給料日に、先に別口座へ移す。月3,000円からでも続けることが大切。やり方は先取り貯蓄のやり方で
- 児童手当を貯める:普段の生活費に混ぜず、別口座で「ないもの」として貯める
- もらえる手当・助成の取りこぼしを防ぐ:シングルマザーがもらえる手当まとめで、申請漏れを確認する
- 食費を、がまんなしで下げる:食費節約術の工夫で、月数千円を浮かせる
- 固定費(通信費・保険)を見直す:一度見直せば、毎月自動で、貯金に回せる
貯金がなくても、あきらめなくて大丈夫
「貯金がほとんどない」状態でも、頼れる制度や相談先があります。慌てて高い金利のお金を借りる前に、まず公的な窓口を知っておきましょう。
- 急な出費・生活費が足りないとき:お金がない…どうする?今すぐ頼れる支援と対処法
- 公的な貸付を使いたいとき:母子家庭が今すぐお金を借りる|公的貸付と相談窓口
- 毎月の手当を確認したいとき:もらえる手当まとめ
貯金がないことは、恥ずかしいことではありません。調査でも、約4割の母子世帯が50万円未満です。大切なのは、今の状態を知って、小さく始めることです。
よくある質問
シングルマザーの貯金は、平均いくらですか?
厚生労働省の令和3年度調査では、母子世帯の母の預貯金額は「50万円未満」が39.8%で最も多く、100万円未満が合計49.4%でした。この調査は「平均額」ではなく、金額の区分ごとの割合で示されています。「不詳」を除いて計算すると、真ん中の人は「50〜100万円未満」に入る計算です(当サイトの目安)。
貯金が0円でも、大丈夫でしょうか?
貯金が少ない母子世帯は、珍しくありません。大切なのは、「小さくても貯金を始めること」と、「困ったときの相談先を知っておくこと」です。まずは10万円を目標に、先取り貯蓄から始めてみましょう。生活費が足りないときは、お住まいの市区町村の窓口や、公的貸付の相談もできます。
児童手当は、貯金に回してもいいですか?
児童手当は、子どもの養育のために支給されるお金です。生活費に使うか、貯めるかは、家庭の状況で判断してよいとされています。生活が苦しい場合は、無理に貯める必要はありません。余裕があれば、別の口座で貯めておくと、進学などの大きな出費に備えられます。
貯金とNISA、どちらを先にすべきですか?
まずは、急な出費や収入減に備える「もしもの貯金」を、確保するのがおすすめです。生活費の数か月分が貯まって、余裕ができてから、NISAなどの長期の資産づくりを検討するとよいでしょう。
1,000万円以上貯めている人は、どんな人ですか?
調査では、1,000万円以上の人は5.8%でした。死別の母子世帯では24.1%と、離婚などの生別(4.7%)より多い結果です。ただ、貯金額の背景は、人それぞれです。他の人の貯金額と比べすぎず、自分の家庭のペースで備えていきましょう。
まとめ|「平均」より「自分の目標」を、小さく
✅ この記事のまとめ
- 母子世帯の貯金は、50万円未満が39.8%で最多。100万円未満は、合計49.4%
- 貯金が少ないのは、あなただけではない。収入の実態(母自身の就労収入は年236万円)が背景にある
- 目標は、STEP1:10万円 → STEP2:生活費1〜3か月分 → STEP3:3〜6か月分
- 増やすコツは、先取り貯蓄・児童手当・手当の取りこぼし防止・固定費の見直し
- 足りないときは、公的な貸付・相談窓口を頼る
貯金は、「いくらあるか」より、「少しずつでも増やしているか」が、心の支えになります。今日から、小さな一歩を始めてみませんか。
※ 制度や数字は、変わることがあります。最新の情報は、厚生労働省・こども家庭庁・お住まいの自治体でご確認ください。出典:厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果」(令和4年12月26日公表)
📎 公式の情報(一次情報)
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この記事を書いた人:masako
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