💼 仕事・副業
「確定申告」と聞くだけで、身構えてしまう方は多いと思います。
でも、ひとり親にとって申告は「お金が戻ってくる」ための手続きでもあります。とくにひとり親控除を申告し忘れていると、払わなくていい税金を払い続けていることになります。
この記事では、ひとり親が押さえておくべき税の話を、できるだけやさしく整理します。難しく考えず、一緒に確認していきましょう。
📋 この記事でわかること
- ひとり親控除とは(申告しないと損します)
- 会社員は年末調整だけでいいケース
- 確定申告が必要になるのはどんなとき
- 5年前までさかのぼって取り戻せる話
- 医療費控除などで、さらに戻るお金
まず知ってほしい ―― ひとり親控除
ひとり親控除は、ひとり親の税金を軽くしてくれる制度です。申告するだけで、所得税と住民税が安くなります。
| 所得税 | 住民税 | |
|---|---|---|
| ひとり親控除の額 | 35万円(2026年分)→ 38万円(2027年分〜) | 30万円 → 33万円(2028年度〜) |
※ 控除額そのものが差し引かれるのではなく、この額に税率を掛けた分だけ税金が 減ります。出典:国税庁 No.1171
✅ ひとり親控除の対象になる人
- 男女どちらでも対象(父子家庭も使えます)
- 結婚歴は問いません(未婚のひとり親も対象)
- 生計を一にする子どもがいること(その子の総所得金額等が一定以下)
- 本人の合計所得金額が500万円以下(給与収入で約688万円以下)
- 事実上、婚姻関係と同様の人がいないこと
※「寡婦控除」は女性のみ・離婚か死別が必要という違いがあり、ひとり親控除に当てはまる場合はひとり親控除が優先されます。
未婚のひとり親も対象になったのは、比較的最近の改正です。「自分は対象外」と思い込んでいる方が、まだたくさんいます。年末調整の用紙には必ずひとり親の欄があります。忘れずに記入してください。
会社員は「年末調整」だけでいいことが多い
パートや正社員として給与をもらっている方は、多くの場合確定申告は不要です。勤務先の年末調整で完結します。
📝 年末調整でやること
「扶養控除等申告書」を受け取る
毎年秋〜年末に勤務先から配られます。
「ひとり親」の欄にチェックを入れる
ここがいちばん大事。忘れると控除が受けられません。
子どもを扶養親族として記入する
16歳以上の子は扶養控除の対象にもなります。
保険料控除などもあれば記入
生命保険・地震保険の控除証明書を添付します。
提出する
これで会社が税金を計算し直し、払いすぎた分が戻ってきます(12月や1月の給与で調整)。
確定申告が必要になるのはどんなとき
📌 確定申告をしたほうがいい・必要なケース
- 年末調整でひとり親控除を書き忘れた → 確定申告で取り戻せます
- 副業の所得が年20万円を超える → 申告が必要(※20万円ルールは所得税だけ。住民税は別途申告が必要)
- 医療費が年10万円を超えた(または所得の5%)→ 医療費控除で戻ります
- ふるさと納税をワンストップ特例なしで行った
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない
- 2か所以上から給与をもらっている
⚠️ 副業の「20万円ルール」の落とし穴
「副業所得が20万円以下なら申告不要」とよく言われますが、これは所得税だけの話です。住民税には20万円ルールがありません。副業所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要です(お住まいの市区町村へ)。ここを知らずに申告漏れになる方が多いので、注意してください。
5年前までさかのぼって取り戻せます
「もう何年も、ひとり親控除を申告していなかった…」という方も、あきらめないでください。
💰 還付申告は5年間さかのぼれる
払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」は、その年の翌年1月1日から5年間できます。
つまり、過去5年分のひとり親控除を申告し忘れていた場合、まとめて取り戻せる可能性があるということです。金額によっては数万円〜十数万円になることも。
「もしかして申告していなかったかも」という方は、税務署に相談してみてください。
確定申告のやり方 ―― 今はスマホでできます
📱 スマホ確定申告の流れ
必要書類を用意する
源泉徴収票、マイナンバーカード、控除証明書(保険・医療費の領収書など)。
国税庁「確定申告書等作成コーナー」を開く
スマホのブラウザからアクセスできます。案内に沿って入力するだけ。
マイナンバーカードで本人確認
スマホでカードを読み取ります(マイナポータル連携で自動入力できる項目も)。
画面の指示どおりに入力
ひとり親控除の欄も忘れずに。難しい計算は自動でやってくれます。
提出(e-Tax)
そのまま電子申告できます。還付金は指定口座に振り込まれます。
🏢 わからないときの相談先(すべて無料)
- 税務署:確定申告の時期(2〜3月)は相談会場が開かれます。書き方を教えてもらえます
- 市区町村の税務担当:住民税のことや、簡単な申告の相談
- 国税庁の電話相談・チャットボット:基本的な質問に答えてくれます
よくある質問
まとめ:申告は「取り戻す」ための手続き
確定申告や年末調整は、面倒に感じるかもしれません。でもひとり親にとっては、払いすぎた税金を取り戻すためのチャンスでもあります。
まずは、次の年末調整で「ひとり親」の欄にチェックを。そして、もし過去に忘れていたなら、5年前までさかのぼって取り戻せます。
難しく考えず、わからなければ税務署に聞けば大丈夫。あなたが受け取れるお金を、きちんと受け取ってくださいね。
📌 この記事のまとめ
- ひとり親控除は男女問わず・未婚でも対象。申告しないと損
- 会社員は年末調整の「ひとり親」欄にチェックすればOK
- 副業20万円ルールは所得税だけ。住民税は別途申告
- 書き忘れても5年前までさかのぼって還付申告できる
- 医療費控除・ふるさと納税があれば、確定申告でさらに戻る
- 確定申告はスマホで完結。わからなければ税務署へ(無料)
参考・出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1171「ひとり親控除」、No.1170「寡婦控除」、No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
- ※ 本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。個別の申告については税務署または税理士にご確認ください。

