🌿 暮らし・心
朝、子どもの額に触れて「熱い」と気づいた瞬間の、あの絶望感。
職場に電話をかけながら、頭の中で必死に計算する。今月これで何回目だろう。もう休めない。でも、この子をひとりにはできない。
ひとり親にとって、これはいちばん切実な問題かもしれません。この記事では、「その日」が来る前に整えておける備えを、具体的にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 病児保育のしくみと、事前登録が必要な理由
- ファミリー・サポート・センターの使い方
- 保育園の入園でひとり親が有利になる仕組み
- 学童保育に入れなかったときの選択肢
- 職場に「また休みます」と言うときのコツ
いちばん大事なこと ―― 「その日」の前に登録しておく
多くの制度は、使いたい日に申し込んでも間に合いません。事前の登録が必要だからです。
そして、事前登録は元気なうちにしかできません。ここが最大の落とし穴です。
病児保育
熱があっても預かってくれる。事前登録が必須のことが多い
ファミサポ
地域の会員が送迎・預かり。面談と登録が必要
一時預かり
理由を問わず短時間預かってくれる。登録制が多い
「使うかどうか分からないから、まだいいや」——その気持ちは分かります。でも、登録は無料でできることがほとんどです。
使わなければそれでいい。でも必要になった日に登録していなければ、間に合いません。
① 病児保育 ―― 熱があっても預かってくれる場所
病児保育は、病気やその回復期にある子どもを預かってくれる仕組みです。小児科に併設されていたり、保育園の中に専用室があったりします。
| 種類 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 病児対応型 | 発熱など、病気の最中の子ども | 看護師が常駐。医療機関に併設されていることが多い |
| 病後児対応型 | 回復期だが集団生活はまだ難しい子ども | 保育園などに併設されていることが多い |
| 体調不良児対応型 | 保育中に体調が悪くなった子ども | 通っている保育園でそのまま対応してもらえる |
| 非施設型(訪問型) | 自宅で預かってもらう | 自宅に来てもらえる。実施している自治体は限られます |
※ 実施状況・利用料・対象年齢は自治体によって大きく異なります。
📝 事前にやっておくこと
自治体の病児保育施設を調べる
「(お住まいの市区町村名) 病児保育」で検索。役所の子育て支援課でも教えてもらえます。
利用登録をする
多くの施設で事前登録が必要です。無料で、記入と提出だけのことがほとんどです。
予約方法を確認する
当日の朝に電話予約、前日から予約可など、施設によって異なります。
かかりつけ医の診察が必要かを確認する
「利用前に医師の記入した書類が必要」という施設が多いです。当日の流れを把握しておきましょう。
利用料と補助を確認する
1日2,000円前後が一般的ですが、ひとり親家庭や住民税非課税世帯は減免される自治体があります。
⚠️ 「予約が取れない」ことも想定しておく
インフルエンザの流行期など、病児保育は満員になることがあります。1か所だけでなく、複数の施設に登録しておくのが現実的な対策です。
また、隣の市区町村の施設が使える場合もあるので、あわせて確認しておくと選択肢が広がります。
② ファミリー・サポート・センター
地域の「預かりたい人」と「預けたい人」をつなぐ、市区町村の仕組みです。1時間数百円程度で利用できることが多く、費用面でも助かります。
🤝 こんなときに使えます
- 保育園・学童のお迎えに間に合わないとき
- 仕事が長引いて、少しだけ預かってほしいとき
- 子どもの習い事の送迎
- 上の子の学校行事のあいだ、下の子を預かってほしいとき
- 自分が病院に行きたいとき
※ 利用には事前の会員登録と、援助会員との顔合わせが必要です。時間がかかるので早めに。ひとり親家庭は利用料の補助がある自治体もあります。
③ 保育園の入園 ―― ひとり親は加点されます
意外と知られていませんが、認可保育園の選考は点数(利用調整指数)で決まります。そしてひとり親家庭には加点があるのが一般的です。
📊 点数を上げるためにできること
⚠️ 保育料は世帯の所得で決まります
認可保育園の保育料は世帯の住民税額で決まるため、ひとり親家庭は低く抑えられることが多いです。
さらに3〜5歳児クラスは幼児教育・保育の無償化の対象です。ひとり親で住民税非課税世帯の場合、0〜2歳児も無償になります。
「保育料が高そう」と思って申し込まないのは、とてももったいないことです。
備えは、あなたと子どもを守る保険です
④ 学童保育に入れなかったら
小学校に上がると、保育園より預かり時間が短くなる「小1の壁」があります。学童に入れないケースも起こり得ます。
🏫 学童以外の選択肢
- 民間学童:費用は高めですが、送迎や習い事つきのところも
- 放課後子供教室:学校の空き教室などを使った、無料または低額の居場所づくり事業
- 児童館:無料で利用できます。職員の目もあるので安心
- ファミサポ:学校からの送迎と自宅での預かりを組み合わせる
- 地域のこども食堂・学習支援:夕方の居場所として使えるところも
※ ひとり親家庭は学童の利用でも優先されることがあります。申し込みの際に必ず申告してください。
⑤ 職場に「また休みます」と言うときのコツ
制度を整えても、休まざるを得ない日はあります。そのときの伝え方で、職場との関係は大きく変わります。
💬 気まずさを減らす伝え方
💡 「子の看護休暇」を知っていますか
育児・介護休業法により、対象となる子を養育する労働者は看護等のための休暇を取得できます。有給休暇とは別の制度で、時間単位での取得も可能です。
制度があることを知らずに有給を使い切ってしまう方も多いので、就業規則を確認するか、会社の担当者に聞いてみてください。
※ 有給か無給かは会社の規定によります。詳細は厚生労働省または勤務先にご確認ください。
よくある質問
まとめ:元気なうちに、登録だけしておく
この記事でいちばんお伝えしたいのは、たったひとつです。
「その日」が来る前に、登録だけしておいてください。
病児保育もファミサポも、登録は無料で、15分ほどで終わることがほとんどです。使わなければそれでいい。でも、必要になった朝に登録していなければ、間に合いません。
この週末、まずは「(お住まいの市区町村名) 病児保育」で検索してみてください。その15分が、いつかのあなたを救います。
📌 この記事のまとめ
- 病児保育・ファミサポは事前登録が必須。元気なうちに済ませる
- 病児保育は複数の施設に登録しておく(満員対策)
- 認可保育園の選考ではひとり親は加点される。必ず申告を
- 3〜5歳は保育無償化の対象。非課税世帯は0〜2歳も無償
- 学童に入れなくても放課後子供教室・児童館・ファミサポがある
- 子の看護等休暇は有給とは別枠。就業規則を確認する
参考・出典
- こども家庭庁「病児保育事業」「子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)」「ひとり親家庭等の支援について」
- 内閣府・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」
- 厚生労働省「育児・介護休業法」(子の看護等休暇)
- ※ 本記事は2026年8月時点の情報です。事業の実施状況・利用料・加点の仕組みは自治体により異なります。必ずお住まいの市区町村にご確認ください。

